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産官学民で紡ぐ“エコシステム社会”を目指して
~ESA設立記念シンポジウムを開催~

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開会の挨拶(ESA代表理事 末次貴英)

一般社団法人エコシステム社会機構(以下、ESA)は、2024年8月23日(金)に設立記念シンポジウム「社会イノベーションの新メカニズム~ポストSDGsの答えはエコシステム社会デザイン~」を開催し、企業や行政関係者を中心に約470名の方にご参加いただきました。
本シンポジウムは、ESAが掲げる「エコシステム社会」というこれからの社会の姿や、ESAを通じた価値創出の可能性を示すことを目的に開催され、プログラムの第1部では研究者などによるパネルディスカッション、第2部では企業と自治体による公民連携の実践に関するプレゼンテーションなどが行われました。

シンポジウムプログラムはこちら 特設ページ

エコシステム社会へのヒントは、日本の足元にある

第1部の冒頭、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏から、本シンポジウムによせるビデオメッセージをいただき、産官学民の集合知創造という新たな挑戦への期待が語られました。

 

法政大学名誉教授の田中優子氏の講演では、目指すべきエコシステム社会のヒントとすべく、江戸時代のイノベーションのメカニズムを振り返り、その原点を深堀しました。

江戸時代は、海外から得た技術や学問を取り入れる過程で、精密な観察に基づいた情報収集を行い、日本に適した形に変化・発展させた「技術と工夫の集中化」の時代だったと同氏は話します。節約や制限が前提にある時代の中でも人々の好奇心と工夫によって次々に文化が発展したこと、またそこで生まれた商品は国内に出回り、徹底的に活用され、最後は肥料となって土にかえるという資源循環の仕組みをも実現していたことが紹介されました。

 

続く鼎談では、ESAの基礎研究部会として活動するOne Planet Research Lab研究代表であり東北大学名誉教授の石田秀輝氏をファシリテーターに迎え、田中優子氏、ESA代表理事の末次貴英が登壇し、目指すべきエコシステム社会の姿について意見を交わしました。登壇者からは、過剰な競争社会の中で、全体の豊かさよりも個の利潤追求に重きが置かれ、制約の中から新たな価値を生み出す力が失われかけているのではないかという問題提起がなされました。他者から収奪することで産業を発展させるのではなく、足元に目を向けてこの地にあるものを活かしていくという本来あったはずの価値観を取り戻し、コミュニティ間で活発かつオープンな情報交換が行われることが、新たなイノベーションへの可能性となるということが示されました。

産官学民による価値創出への挑戦

第2部は、ESAの会員である自治体や企業・団体など、総勢14名が登壇し、現場での実践を発表しました。

神戸市事例(ESA理事 小泉篤)

神戸市における資源循環の取り組みについて、神戸市からは環境局長の柏木和馬氏が、企業からはESA理事・花王㈱ 特命フェローの小泉篤氏が登壇し、最適な資源循環や脱炭素の実現には、市民の行動変容を生み出していく必要があること、その実現には自治体と企業の連携が有効であることが、それぞれの視点から共有されました。また、ビジネスの観点では、環境問題に対応するには、個社単位での取り組みでは限界があり、企業間でも競合・業界の枠を超えて連携していくことが必要不可欠であることが強調されました。

豊前市×アミタホールディングス㈱(郡司掛ひろみ氏×野﨑伸一)

豊前市からは、持続可能なコミュニティが息づく未来づくりを目指した「Re:ぶぜんプロジェクト」をスタートすることが発表されました。豊前市総合政策課の郡司掛ひろみ氏は、産官民連携を推進するにあたって、同じ目的を持って支え合う“パートナー”を求めていたと話します。ESA事務局長であり、本プロジェクトに参画するアミタホールディングス㈱の執行役員でもある野﨑伸一は、ESAは、地方自治体と企業との間に立って、双方のコミュニケーションや目線合わせのハブとなることで、良質な公民連携を生み出していきたいと述べるともに、豊前市のプロジェクトにおいても、ESAのプラットフォームを通じて域外の様々な仲間との出会いの機会を創出することで、豊前市と一緒にこのプロジェクトを発展させていきたいと決意を述べました。

続くプログラムでは、デジタル庁の村上敬亮氏より、地方創生のプロジェクトにおける要点として、①市役所の中で部署横断の体制をつくること、②市民のコミュニティ基盤をつくること、③デジタルの技術を正しく使うこと、といったポイントに触れながらプロジェクトの事例等が紹介されました。

またESAの正会員7社がショートピッチを行い、ビジネスの力でどのように社会課題に取り組むのか、なぜESAで産官民共創を目指すのかについて発表しました。

ESA正会員。左からNECソリューションイノベータ㈱、(公財)信頼資本財団、住友大阪セメント㈱
左からTERA Energy㈱、ネスレ日本㈱、三井化学㈱、三井住友信託銀行㈱

クロージングでは、ESA代表理事の末次貴英より、本日のシンポジウムで感じられた社会イノベーションの兆しを形にするべく、より良い未来を創るために行動する組織・人を支える存在へとESAを成長させていく、という決意が述べられ、全プログラムを締めくくりました。

 

閉会後に行われた会場での交流会には、登壇者、ESA会員、ESA入会を検討されている地方自治体、企業・団体の方など多くの方々にご参加いただき、盛会のうちに終了いたしました。

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