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“一つの地球で暮らせる社会を考える”
OPaRL 第1回公開シンポジウムを開催

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世界中の人々が日本人と同じ暮らしをすると地球が2.8個必要と言われています。
ESAの基礎研究部会の一つであるOne Planet Research Lab:OPaRL (オパール)では、あらゆる生命が共生する未来を目指して、地球一つ分の環境負荷で暮らせるライフスタイルや社会の姿を描く研究に取り組んでいます。
2024年7月19日に、第1回公開シンポジウムを開催し、「一つの地球で暮らせる社会を描く」ことの必要性とその手法、さらにビジネスを含む今後の展開について、産官学の登壇者を招き、意見を交わしました。

このままでは、未来の子どもたちへバトンを渡せない

元環境省事務次官の中井徳太郎氏からは、地球環境の現状と気候変動を巡る国内外の動向、社会変革に向けたリデザインの方向性についてお話をいただきました。
続いてOPaRL研究代表・東北大学名誉教授の石田秀輝氏より、OPaRLの研究に至った背景にある地球環境の危機的状況を皮切りに、一つの地球で暮らせる社会を描くための手法や最新の研究について発表を行いました。

現在、世界各国で、持続可能で豊かな社会を創るために様々な取り組みが進められていますが、例えば27年間(1989年~2016年)で昆虫全体の生物量が76%減少し、海水温の上昇により2050年頃に海洋大循環の停止が予想されているなど、私たちを取り巻く地球環境は危機的な状況におかれています。
石田氏からは、2030年までに有効なアクションが見えないと文明崩壊の引き金に指をかけることになり、未来の子供たちにバトンを渡せなくなるという危機感が共有されました。

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低環境負荷で、心豊かなライフスタイルとは

一つの地球で暮らす、つまり自然の修復能力以下で暮らすことが、持続可能な社会を創る大前提です。世界中の人々が日本人と同じ暮らしをすると、地球2.8個が必要なことから、日本人は、現在の約4割(2.8分の1)の環境負荷で暮らす必要があると言われています。果たしてそんな暮らしは実現できるのでしょうか。
OPaRLは、未来の子供たちに引き継ぐことができる豊かな社会を創造するため、約4割の環境負荷でもワクワク・ドキドキする暮らしを見つけることに挑戦します。

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世界で初めてライフスタイルの環境負荷を定量化

最新の研究によって、その暮らしが不可能ではないという兆しが見えてきました。
OPaRLでは、バックキャストの手法を用いて制約の中での心豊かなライフスタイルを描いた上で、オントロジー工学を用いて行為分解することで、世界で初めてライフスタイルの環境負荷を定量化しました。東京都市大学の古川柳蔵氏、兵法彩氏の発表において、持続可能な社会をデザインする考え方やライフスタイルの定量化の手法など、これまでの研究内容の詳細が紹介されました。

OPaRLが実施した最新の調査によって、奄美群島の沖永良部島には、一つの地球以下の環境負荷で暮らす世帯が多く存在することが定量的に明らかになりました。沖永良部島の暮らしを下敷きとして、多くの低環境負荷ライフスタイルを定量化できるモデルの研究を進めます。

シンポジウムの最後は、「企業は未来を創れるのか?」をテーマに企業や研究者が登壇してパネルディスカッションを行いました。一つの地球で暮らせる社会を創造するにあたり、企業が地域社会にどのようにかかわっていくのかなどについて意見を交わしました。

今後の研究

今後、OPaRLでは、低環境負荷のライフスタイルを実現するために、産官学から有志を募り、「OPaRL研究会」の活動を進めます。未来の社会に必要なビジネスを、企業関係者とともに考えます。一つの地球で暮らせる社会を実現したい方、心豊かなライフスタイルを自らの業務を通じて実現する方法を探索したい方など、OPaRL研究会に関心のある方はESA事務局までお問い合わせください。

【終了しました】OPaRL第1回公開シンポジウムパンフレット ESA事務局へのお問い合わせはこちら

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