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【開催報告】ネイチャーポジティブにどうかかわれるのか

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東北大学NP拠点との共催プログラム第1回を開催しました

一般社団法人エコシステム社会機構(ESA)は、東北大学COI-NEXTネイチャーポジティブ発展社会実現拠点(東北大学NP拠点)との共催により、ESA会員向けのプログラムを開始しました。

本プログラムは、ネイチャーポジティブを「自然環境の保全」に閉じず、企業活動、地域経済、人的資本、自然資本、研究開発などを横断するテーマとして捉え、事業や地域の未来にどう接続できるのかを、学びと対話を通じて探るものです。

その第1回として、2026年6月29日に開催した「2026年度ESA共創キックオフ」の中で、
「ネイチャーポジティブにどうかかわれるのか ― 地域実装の現場から見えてきた、共創の可能性 ―」
をテーマにセッションを実施しました。

登壇したのは、東北大学NP拠点 社会実装部門統括/ビジョナライザーの小田切裕倫氏と、アミタ株式会社 執行役員でESAのネイチャーポジティブ推進チームリーダーを務める纐纈渉氏です。

東北大学NP拠点 小田切裕倫氏(右)と、アミタ株式会社 纐纈渉氏(左)

ネイチャーポジティブは、自然だけの話ではない

冒頭に共有されたのは、ネイチャーポジティブを「生物多様性の損失を止め、回復させる」取り組みとしてだけでなく、人と自然の関係を再設計していく社会転換のテーマとして捉える視点です。

小田切氏は、ネイチャーポジティブは、その時代の社会課題や人々の暮らし方と深くかかわるものであり、地域ごとの自然、文化、産業、経済、制度と切り離して考えることはできないと指摘しました。

また、東北大学NP拠点について、単に研究成果を社会に届ける組織ではなく、研究と社会実装の往還を通じて、新しい問いや共創の動きを生み出していく拠点であると紹介しました。

東北大学NP拠点では、大きく次の3つの活動に取り組んでいます。

・人と自然の共生モデルを構築すること。
・ネイチャーポジティブを推進する人材を創出すること。
・ネイチャーポジティブな地域を増やしていくこと。

これらは、ESAが掲げるコミュニティ・ウェルビーイングの実現とも重なります。自然との関係を通じて、人と人との関係、地域の持続性、暮らしの豊かさ、未来への安心感を育んでいくことが重要だというメッセージが共有されました。

企業にとっては、経営と人的資本のテーマ

小田切氏は、ネイチャーポジティブを、CSRにとどまらない、企業がこれからどのような人材、組織、地域関係、事業モデルを持つべきかを問い直す、経営と人的資本のテーマとして提示しました。

また纐纈氏からは、脱炭素が「CO2削減」という定量目標を持つ目標達成型の取り組みだとすれば、ネイチャーポジティブは、地域や事業にとっての“健康な状態”を定め、継続的に点検し、必要に応じて処方していく健康管理型の取り組みである、という整理が示されました。

ネイチャーポジティブは、一度実施すれば終わる活動ではなく、自然の状態、地域との関係、企業活動との接点を見ながら、継続的に問い直し、改善し続ける仕組みが求められます。

工場敷地から、流域・地域・サプライチェーンへ

企業がネイチャーポジティブにどうかかわるのかについては、工場敷地や自社活動の範囲にとどまらず、より広い視点で自然との関係を捉える必要性が示されました。

自然資源を直接利用する企業だけでなく、原材料を調達する企業、地域に拠点を持つ企業、物流や販売を通じて地域とかかわる企業も、自然との依存・影響関係を持っています。

これまでは、工場敷地内での緑化や保全活動として捉えられることも多かった生物多様性の取り組みですが、今後は、周辺地域、流域、サプライチェーン、地域インフラとの関係まで視野に入れる必要があります。

地域にはすでに、植林、河川整備、環境教育など、個別の保全活動が存在しています。ネイチャーポジティブでは、それらを個別の活動として終わらせるのではなく、地域全体の生態系や暮らし、産業と結びつけ、連動する仕組みにしていくことが求められます。

地域は何を準備し、企業はどうかかわるのか

最後に投げかけられたのは、今後の共創に向けた問いです。

企業は、地域の自然にどうかかわるのか。
金融は、何を投資対象として見るのか。
保険は、何をリスクとして捉え、どう安心を提供するのか。
地域は、何を育て、どのような受け入れ体制を準備するのか。

小田切氏は、「うちの地域には豊かな自然があります。企業さん、実証実験をしませんか」という呼びかけだけでは不十分だと指摘しました。

地域の自然に関する公共的なデータをどう集めるのか。企業や研究者を受け入れる体制をどう整えるのか。
地域として何を育てたいのか。どのような事業や人材、資金循環につなげたいのか。

こうした準備があってこそ、企業、金融、保険、研究機関との関係性が変わり、ネイチャーポジティブの社会実装が進んでいくという展望が語られました。

世界の潮流から地域実装までを学べる会員限定プログラム

今回のセッションは、ESAと東北大学NP拠点による共催プログラムのプロローグとして実施したものです。

本プログラムは、ネイチャーポジティブに関する最新動向を学ぶことに加え、企業・自治体が自らの事業や地域課題とどう接続できるのかを、東北大学NP拠点の研究知や地域実装の知見に触れながら考える会員限定の機会です。

次回は、2026年9月7日(月)に、GLOBAL NATURE POSITIVE SUMMIT 2026にご登壇される藤田香氏をお招きし、「ネイチャーポジティブは、次の社会の標準になる」をテーマに開催します。
関心をお持ちの企業・自治体・団体の皆さまは、ぜひESAまでお問い合わせください。

関連情報

東北大学COI-NEXT「ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点」との共催プログラムについては、以下の記事をご覧ください。
東北大学COI-NEXT「ネイチャーポジティブ発展社会実現拠点」との共催プログラムが始動します | ESA

ESAへの入会については、以下よりご確認ください。
ESAに入会する | ESA

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